草食系院生ブログ

「労働」について思想史や現代社会論などの観点からいろいろ考えています。日々本を読んで考えたことのメモ。

2013-08-01から1ヶ月間の記事一覧

なぜこんなに豊かな社会で我々はこんなにも働いているのか? 再論

このブログの出発点は、「なぜこれほど豊かな社会で我々はこんなにも働いているのか?」という問いでした。 かつてマルクスは、資本主義的生産様式が発展し、生産力が十分に向上したならば、必要労働時間は減少し、人類は少しずつ労働から解放されるであろう…

ポランニーの「倫理的社会主義」――オーウェンとマルクスの協同組合主義を引き継ぐもの

『大転換』で有名なカール・ポランニーもまた、オーウェンの協同組合運動を高く評価していた知識人の一人です。ポランニーは、オーウェニズムをチャーチィズムと並んで、「市場から人間を守る」対抗運動のひとつであると捉えました。 [新訳]大転換作者: カー…

「自営業の復活」は可能か?――「雇用社会」の常識を疑う

前回からの続き。 前回記事の最後でふれた柴山桂太さんの『POSSE』vol.18でのインタビューについて。柴山さんは次のように述べられています。 「さらに、雇用社会で本当にいいのかという問題もあります。雇用社会の反対は、自営業を中心としたセルフエンプロ…