草食系院生ブログ

「労働」について思想史や現代社会論などの観点からいろいろ考えています。日々本を読んで考えたことのメモ。

2012-10-01から1ヶ月間の記事一覧

「雇用収縮の時代」を生きる。

僕たちは「雇用収縮の時代」を生きています。いま先進国が共通して抱えている問題は「国内雇用の不足」です。たとえ景気が回復しても、なかなか雇用が回復しない。失業率が高止まりを続け、とくに若年世代がそのネガティブな影響を強く受けることになります。…

「シンボリック・アナリスト」、あるいは「変人」と「精神分析家」

ヒト・モノ・カネが一体化して国境を超える21世紀型グローバリゼーション(ハイパーグローバリゼーション)が進むと、先進諸国内の雇用は縮小・流出し、慢性的な雇用不足に陥ることになります。さらに商品・サービスのコモディティ化が進み、海外から安価な…

「他とは代替できないスペシャリティになれ」という圧力

前回までの記事で、21世紀型グローバリゼーションが進むと先進国内の雇用が縮小・流出するだけでなく、商品・サービスのコモディティ化が進みやすくなると書きました。その結果として、先進国の労働者は世界中の新興国・途上国に住む労働者たちと潜在的に競…

「コモディティ化」の果てに… -野口悠紀雄『資本開国論』より part2

前回の続きです。前回の記事は、21世紀型グローバリゼーション(モノだけでなく、ヒト・モノ・カネすべてがグローバル化する現象)によってオフショアリング(海外アウトソーシング)が進み、先進諸国内の雇用が流出・縮小していく状況にある、というお話で…

21世紀型グローバリゼーションがもたらすもの -野口悠紀雄『資本開国論』より part1

昨日の記事の続き。先進諸国が慢性的な国内雇用不足に陥っているのはなぜなのか?これをうまく説明してくれるのが経済学者・野口悠紀雄さんの『資本開国論』です。野口さんは「21世紀型グローバリゼーション」というキーワードを使いながら、先進諸国の国内…

どうして先進諸国の失業率が上昇しているのか?

僕が大学に入学したのはもう10年以上前ですが(月日の流れる早さは恐ろしい)、その頃はまだ「数年後には団塊世代の大量引退が始まる、すると少子高齢化が進む日本は労働力不足に陥るだろう、この労働力不足をどうやって解消するかが問題だ」という議論が真…

「労働からの解放」はなぜ実現されないのか?

かつての偉大な経済学者たちは、将来経済が発展し、生産力が向上して生活が豊かになれば、労働時間は減少し、人びとは余暇を謳歌するようになるであろうと考えていました。スミスしかり、マルクスしかり、ケインズしかり。しかし彼らの生きた時代からみて驚…

資本主義のオルタナティブを構想する。

数日前の記事で、「日本がこんなに物質的に豊かな国であるにもかかわらず、僕たちはどうしていまだにこんなに働いているのか?」という問いを出しました。僕の考えるところ、その答えはひとつです。それは「僕たちの社会があまりに資本主義にとらわれている…

リキッド・モダニティにおける不安な僕たち

僕が大学を就職して、某メーカー企業に就職したのが2005年だったのだけれど、ちょうどその頃から、正規社員と非正規社員の格差問題や、ワーキングプア問題、偽装請負事件、ロストジェネレーション問題などが世間を賑わすようになった。2006年には「格差社会…

なぜこんなに豊かな社会で我々はこんなにも働いているのか?

僕は労働の思想史研究を専門にしていて、主に経済思想史や社会思想史と呼ばれる分野から「労働」のあり方についていろいろと考えている。「労働」は社会のなかでどのような機能を果たしているのか、労働観は時代や社会ごとにどのように変遷してきたのか、我…

ブログ始めました。

どーも、草食系院生です。 最近はtwitterばっかりやってたんですが、久しぶりにブログ書きたいなーと思ったので、新しくブログ作ってみました。 日記がわりにダラダラ書いていこうかなと思っていますので、よろしくお願いします。