草食系院生ブログ

「労働」について思想史や現代社会論などの観点からいろいろ考えています。日々本を読んで考えたことのメモ。

2013-01-01から1ヶ月間の記事一覧

「陶冶」=「教養」としての労働-ヘーゲル『法の哲学』より

今回はヘーゲルの労働観についてです。 ヘーゲルはアダム・スミスの『国富論』から影響を受けながら、市民社会の本質を「欲求の体系」に見出し、独自の市民社会論を構想しました。ヘーゲルにとっての市民社会とは「市場経済」とほぼ同じ意味です。『法の哲学…

「労働力商品の無理」ー宇野弘蔵『恐慌論』とポランニー『大転換』より

久々にブログ更新。 前回の記事では、フーコー講義録『安全・領土・人口』を参照しながら、人間の自然性および生物性を認識することによってこそ、近代の資本主義運動が開始され、それを円滑に機能させるための生権力統治が成立したことを書きました。この…