草食系院生ブログ

「労働」について思想史や現代社会論などの観点からいろいろ考えています。日々本を読んで考えたことのメモ。

2012-11-10から1日間の記事一覧

「囲い込み運動」と「本源的蓄積」 -マルクス『資本論』から資本主義の本質を考える。part 5

前回の記事では、資本主義の発動条件として「生産者と生産手段との歴史的分離過程」、すなわち「資本の本源的蓄積」が必要とされたことを書きました。この歴史的分離過程は、典型的には16世紀からイギリスで行われた「囲い込み運動」のうちに確認することが…

資本主義と国家 -マルクス『資本論』から資本主義の本質を考える。part 4

前回、労働力という商品は元から市場に存在してるものではなく、歴史的過程のなかで人為的・暴力的に生みだされてきたものである、と書きました。労働者が賃金と引きかえに労働力を提供するという交換の形式が普遍化している事態は歴史的に特殊で珍しいもの…